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《 過疎地の子に公営学習塾―民間と組み格差是正狙う 》
過疎や中山間地の市町村を中心に公営の学習塾を設ける動きが広がっている。経済力の格差を反映するかのように都市部との学力差が広がり、地域の将来への危機感が増しているからだ。教育環境を改善することで人口の都市流出に歯止めをかけたいという切実な思いもある。(20日発行の「日経グローカル」に詳報) 「この円の半径は何センチ?」「えーっと、ここが4センチだから…」「そうそう」。夏休みに入ったばかりの7月24日、阿武隈山地の森に囲まれた福島県川内村のコミュニティーセンターで小学生たちが算数の勉強を見てもらっていた。川内村が4月に開校した村営学習塾の夏期講座だ。郡山市から1時間以上かけてやってきた民間の塾講師3人が指導する。 村営塾は小学5、6年生と中学生が対象。運営は民間に委託している。 学期中は放課後などに小学生が国語と算数を週1回、中学生1、2年生が英語と数学を週2回学ぶ。中3になると英数国理社の5教科を週2回の計6時間。費用の大部分は村が負担するので毎月の授業料は小学生が1,000円、中学生は1,500―2,000円と格安だ。 「最寄りの町の塾に通うと車の送迎に30分もかかるうえ、授業料も高い」と石井芳信教育長。村の塾は村内で対象となる児童や生徒の75%が利用し「保護者には大好評」だという。 栃木県東部の那須烏山市は毎年秋から2月まで「サタデースクール」を開く。毎週土曜、小学6年と中学3年の希望者を対象に主要教科を補習する。いわば市営の学習塾だ。宇都宮大学の協力で教育学部の学生・大学院生らが授業に当たる。「今年は市内の児童や生徒の4割以上が受講する予定」(市教育委員会の駒場不二夫・学校教育課長)だという。 青森県下北半島の東通村や沖縄県の離島、北大東村も村営塾を設けている。いずれも村内に民間の塾はない。東通村はむつ市内の塾に運営を委託し、北大東村は校長経験もある教員OBを専任講師として迎えた。北大東村では対象となる児童や生徒の80%近くが村営塾に通う。 市町村が学習塾の運営にまで乗り出したのは学力格差への危機感からだ。 遠藤雄幸・川内村長は「教育環境のハンディは大きく、高校入試の成績も県内では下位」と強調する。那須烏山市の駒場課長も「市内の小中学校は小規模校が多く教員数も少ないので、都市部との学力差が気になる」という。 さらに国・地方財政の三位一体改革の影響もしのびよる。義務教育費に対する国庫負担が削減され一般財源になる結果、税収の少ない自治体では教育予算の削減につながる恐れがあるからだ。お茶の水女子大学の耳塚寛明教授は「地域の経済力が今後、そのまま教育の格差としてむき出しになりかねない」と警告する。 東通村は塾だけではなく、義務教育の開始を1年前倒しにする幼小中一貫教育導入の準備を進めている。教育課程そのものにまで踏み込んだ改革だ。1学級25人以下の少人数編成をめざすので、県が人件費を負担する教員だけでは足りなくなる。すでに村費で講師を採用しているが、来春には村の公務員として中学教員7、8人を採用する予定だ。 東通村の場合、原発立地による豊かな財政が独自の教育強化策の裏付けとなっている。だが、過疎地など財政力に乏しい市町村にとって義務教育の枠組みを超えた学力強化策の負担は大きい。このままでは財政力の違いが教育格差をさらに拡大する恐れも残る。「義務教育の現場を担うのは市町村。財源と権限をもっと移譲すべきだ」と同村の越善靖夫村長は訴えている。
by sankosha
| 2007-08-27 11:13
| 営業雑談
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